フジツカ座

ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気のフジツカ座のレビュー・感想・評価

4.5
「ジュノ」以来エレンペイジが好きで、この作品がDVDになるのを楽しみにしてました。なぜなら2014年、彼女自身がLGBTであることをカミングアウトしたからです。

どんな表情でどんな声でどんな言葉で、リアルにリアルを重ね、それを映画というバーチャルな媒体でどう表現するのか。

しっかりと観てみようと思い視聴しました。
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2017年現在同性婚が認められている国は22カ国。アメリカは2015年の事でした。

先日ワイドナショーでデヴィ夫人が「同性婚は自然の摂理に反する」と、絶対的な反対姿勢を示す発言をしていました。
花に雄しべと雌しべがあるように、動物にも雄と雌があり、人間にも男と女があると。子孫繁栄を妨げる行為は自然界への冒涜である。というような趣旨の発言だったと思います。

言いたいことは分かるのだけど...本当にそうなんでしょうか。

そもそも結婚なんて仕組みは人間しか導入してないものだし、子供を作れる人たちだけが自然の摂理に乗っ取っているとするなら、それ以外の人たちは自然界的には人として認められてないって事になります。んなばかな。

それに加えてたとえ男女間で結婚したとしても、様々な事情により全ての夫婦が子供を授からないことも事実のひとつです。そんな人たちへも彼女は「自然の摂理への冒涜だわ」なんて言うのでしょうか。

文明の発達自体がそもそも自然界への冒涜行為であり、その一番上に人間が君臨してる以上は、摂理もへったくりもないし、逆を言えば大なり小なり成り行きでしかないと思うし、不協和音も異物もなく全ての事柄が、流転する万物の一部なんだろうと個人的には思います。

なんだかデヴィ夫人へのレビューみたいになってしまいましたが、そういう想いの中、今作を視聴し、実際にあった出来事として知ることができてよかったなあと思います。

エレンペイジの愛もジュリアンムーアの愛も素晴らしかったです。この作品で発せられた沢山の「愛してる」の言葉ひとつひとつが、あたたかく心に沁みこんでいきました。

(๑´ㅂ`๑)
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