真っ黒こげ太郎

ドント・ブリーズの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)
4.2
この先生きのる為には音を立てるな!!!

ってか、そもそも強盗すんなし!!!w




すっかりゴーストタウンと化したアメリカのデトロイト。
泥棒仲間のマネーとアレックスと共に、コソ泥を働いて生計を立てていた不良少女のロッキー(スタローンさんとは関係ありません)。
どん底の生活を送っていた彼女は妹と共に今の生活から抜け出す為に資金が必要だった。

3人は最後のヤマとして、元軍人の盲目老人が持つ退職金を盗むことに。
深夜、犬に睡眠薬を飲ませ、アラームを切り、どうにか鍵を開け忍び込み金を探すが、何時の間にか目覚めた老人にバレてしまう!!!

マネーは老人に銃を向け脅すが、老人はその腕っぷしでマネーを取り押さえ、拳銃を奪い容赦なく射殺!!!
実はその老人は、目が見えなくなった代わりに物凄い聴覚と嗅覚と腕っぷしと容赦のなさを併せ持った、とんでもない老人だった!!!

老人は鍵を念入りに塞ぎ、銃を片手に家の中を捜索し始める。
ロッキーとアレックスは金をゲットしてどうにか逃げ出そうとするが…。





盲目の退役軍人の老人の家に侵入したコソ泥達が、老人に見つかり命を狙われる、サスペンス・ホラー。

サム・ライミさん&フェデ・アルバレスさんのリメイク版「死霊のはらわた」タッグが再び放つ本格ホラー。
続編が劇場公開された機会に再鑑賞!


話としてはあらすじの通り、盗みに入った老人が容赦のないヤバいヤツだったので、どうにかして逃げようというお話。

正直、主人公達は仲間を庇ったり、捕まってる人や仲間を助けようとしたりはするのですが、それでもわざわざ老人を銃で脅すし、殺されそうになってるにも関わらず金を盗もうとするわで、何だかんだで同情の余地はほとんどないですな。
そもそも、主人公のロッキーが一番金に執着してるし、女性を助けようとして事態をややこしくしてるし。

最も、ぱっと見は正当防衛で動いてる老人も、中盤とクライマックスでとんでもない鬼ヤバ野郎であることが判明するのだが…。
何か「悪魔のいけにえ」の亜流映画とかでありそうな凶行である。w


んで本作の脱出展開だが、正直元軍人で犬がいるとは言え目の見えない老人だし主人公側が2人組なだから、フクロ叩きにすればどうにかなりそうな気もしなくはないが、主人公2人がなまじ半端にキレイ事ばかり言ってるし、能のないチンピラのガキだから、段々ドツボにハマってゆく。
登場人物が少数で死人は少ないが(グロも血糊程度)、その分殺人鬼側と主人公側の強さのバランスは丁度いいと思った。
ここら辺のパワーバランスは結構上手いと思う。

音を立てずに逃げようとする展開は緊張感があってハラハラしながら見れるし、暗闇の中を手探りで逃げる展開は視覚的にも面白いし、後半の逃走劇も緊張感高く見れる。
正直言って一度外に出た筈なのにまた捕まる展開もどうかと思うが、クライマックスの反撃展開もそれなりに捻っていて良かった。
作中のテンポも良く、登場人物が少ない分キャラも立ってた。
主役の強盗3人は実にいいキャラしてたし、凶器の老人役のスティーヴン・ラングさんの熱演もお見事。


一応難点としてはどちらもアレな連中なので、正直どちらに肩入れして見ればいいか分からなかった。
また音を立てないことを重視してどうにかするのかと思いきや、結局解決法は力任せなのはどうかと思った。
後、これを言ったら元も子も無いのだが、正直盲目の老人が悪党をぶっ殺しまくるスカッとするタイプの映画が観たかったですね。w


そんなこんなで、流石ライミさんとフェデ・アルバレスさんのタッグ作だけあって、ハラハラで面白い内容でした。

テンポも良いし、ドラマも怖さやヤバさをしっかり描かれて面白く、88分の短尺の中で最後まで緊張感満点で楽しめました。

緊張感や胸糞が多めな作品なので合う合わないがあるとは思うが、純粋に面白いし話のタネにもなるので興味があればどうぞ。



しかし、続編では攫われた女の子を救うために行動してるらしいのだが、今作の女性に対してのアレコレはどう説明付けるんだろう?
予告の悪党の言動を見るに、無かった事にされたわけじゃないみたいだけど。
(攫ったはずの悪党が少女に「ヤバいのは隣にいるヤツ(老人)だ」「(老人に関して)君が知らない真実を教えてやろうか?」と言ってる。)

とりあえず、近い内に見に行ってみるか…。
思えば劇場へ怖い寄りなホラーを見に行くのは珍しいかも。w