偽名祐司

ドント・ブリーズの偽名祐司のネタバレレビュー・内容・結末

ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

近年観た中では久々の傑作ホラー

「泥棒しにいった先の盲目の老人が超感覚で元軍人で超強くで、容赦なく殺しにかかってくる」ってだけで一発ネタ映画かと思いきや。

泥棒の一人を脅えた振りして接近し、銃を奪い取り射殺した後、まずやる事が家中に内側から鍵をかけ、板で目張りしだす老人の狂気感。
どんな映画にもある「見つかったらヤバイ(もしくは殺される)から物影に隠れて息を潜める」という観客に緊張を強いるシーン。それがこの映画の場合どんな状況、どんな絵でも作れるという。老人が目の前にいても「動いて足音、荒い息一つしたら見つかる」という風に。逆にお互い動いてると廊下ですれ違ってもばれないので非常に面白いです。

そして緊張を強いる「音を立てられない」シーンばかりでは息がつまるのでちゃんと音をたてて逃げるシーンも用意されてます。その為の個人的名優と思ってるキャラ、それが「老人の飼ってる犬」。まあよくしつけがされてる凶悪な大きいドーベルマンなんですが、もうこの犬と老人のコンビネーションが素晴らしい!老人の入り込めない狭いダクトに入って安心したら?無事に太陽の下、外に出てもはや走れば余裕で逃げられると安心したら?そこですかさず相方の犬の登場です。もはや笑うしかありません。
お陰で緊張を強いる「音の抑えるシーン」とアクション全開の「逃げるシーン」を交互に出す事が可能になってます。

OPにカットバックする展開、そこそこに狂気を感じる老人の動機、そこからのヒロインの逆襲、そしてEDともうホラー映画として完璧な作りとなっています。
個人的には「盲導犬とバイクに乗った老人がパワーアップして逆襲する」2作目を期待しますw

ホラー映画に抵抗の無い人は観て損はしないかと。
偽名祐司

偽名祐司