三郎丸

マーシュランドの三郎丸のレビュー・感想・評価

マーシュランド(2014年製作の映画)
3.0
刑事モノ(「セブン」っぽいの)が観たくて鑑賞!

パッケージに圧倒的評価!の文言がありますし、スペインで賞を穫る位の作品だからぐんとワタシの期待感は上がりましたです。

お話は、
1980年、スペインはアンダルシアの湿地帯(マーシュランド)にある小さな町で、2人の少女の行方がわからなくなる。
やがて彼女らは激しい拷問を加えられた果てに無惨な形で殺される(サラッと死体を映すためショッキング)…
ベテラン刑事のフアン(ハビエル・グティエレス)とマドリードから左遷されてきたペドロ(ラウール・アレバロ)は、これまでにも似た事件が起きていたことを知る。
2人が調べを進めていくうちに、貧困、汚職、麻薬密売、小児性愛といった町と住人が抱える闇を目の当たりにする。
そんな中、新たな少女失踪事件が起きてしまう…

独特な湿地帯のジメ~っとした雰囲気&連続殺人鬼を追う緊張感が作品全編に流れているため、こういうジャンルが好きな鑑賞者はハラハラしながら観れる映画かと思います。
有名な俳優さんが出ていないのも変に
「この俳優の作品」
と、先入観なく観れたのも高評価です。

ワタシもある程度楽しめたのです…が!
刑事モノにお馴染みの、相関図的なものは欲しかったですね~作品後半
「誰が誰!?」
となり、その気持ちが晴れぬままラストまで持っていかれた感があります。(特に犯人とされる者のわかりづらさったらなかったです…(頭に雨合羽のフード被っちゃったりして)

難解とはちょっと違う、不親切な(監督の性格?)印象ですね。
「面白い話で良い映画が出来そう!」
って想いからメガホン取っている訳ですから、鑑賞者にはせめてストーリーの整理の為の場面は多少なりとも欲しかったですね。
監督が編集段階で
「説明しなくても観りゃあワカルヨ!」
とか悪い意味でラテン系のノリみたいの出ちゃったのかな…

主人公刑事たちが犯人を追うのも、被害女性の遺留品から
【AB型の精液を検出】
とせっかくの鑑定結果出てるのに、
【基本聞き取りと刑事のカン】
で動きに動き回ります。
せめて犯人と鑑定等の事実関係を結びつけるシーンは欲しかったです。
時には完全に違法捜査の暴力なんか振るって、供述聞いた途端にろくすっぽ裏もとらず、
「ヨッシャアイツだ!」
で元気いっぱい飛び出してっちゃうんですから…素人かっつー話です。

結果的に真面目な日本人には賛否両論ある作品になっちゃいましたね…個人的に残念です。
三郎丸

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