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刺青~堕ちた女郎蜘蛛~のminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

刺青~堕ちた女郎蜘蛛~(2006年製作の映画)
2.6

このレビューはネタバレを含みます

詐欺的な自己啓発セミナーの運営会社に勤める主人公は出会い系サイトのサクラで生計を立てるヒロインをセミナーに勧誘する。ヒロインはセミナー社長の勧めで背中に刺青を彫ることになるのだが、そのことが彼女自身と主人公の人生を大きく変えはじめて......という話。
「64」「ヘブンズストーリー」などを手がけた瀬々敬久監督の過去作。谷崎潤一郎の短編小説を現代風にアレンジした作品。

約15年前の映画だがそれ以上に昔の昭和の匂いが感じられる作品。不倫の愛に破れたヒロインと別居中の妻子とよりを戻すため反社的な商売に関わってしまう主人公が破滅に向かう様子を耽美的な映像で描いていた。低予算のVシネマ調は作品だが松重豊、嶋田久作、光石研ら重厚で渋い脇役陣が出演しているせいか体裁は整っている。とはいえストーリーは面白いとは言えない。出会い系サイトで騙した相手を次々と呼び出して謝罪したあとに身体を重ねるというヒロインの行動は刺激的ではあるが、主人公が物語が進むにつれてやや滑稽なくらいに壊れてしまうのでシリアス度がなくなってしまっていた。瀕死の主人公が自然に蘇生してヒロインと結ばれるラストもご都合主義的に映ってしまっていた。

腰から上の背中に刺青彫るのに全裸になる必要はあるのだろうか?(観客サービス?)
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