【ひかえめ】
板野友美がパートナーの彼と共に訪れる小高い丘の山頂やり取り - 男が先行して立ち止まり、板野を呼び止め、振り返る板野のショット後景に フレーム見切れ気味に人影が映るカットバック - が、本作に於ける怖さのピークであると共に、作品中唯一恐怖した(或いは出来た)場面であった。
『画面外で行われている事が 映っていない=見えないのだが、間接的に伺い識る事出来る』-やはりその方が恐ろしく、映画的に洗練されていると思う。
然し、その洗練と恐怖を感じられたのは前述一場面のみで、あとは全編惜しみなしに見せ過ぎである。
CG感丸出しの目玉なぞポンポン見せずに 隙間の奥の闇黒こそを繊細丁寧に取り扱うべきだろう。
飛び出してきた車両に瞬間的に跳ね飛ばされる場面等も、容易に予想出来 最早何ら衝撃的で無いにも関わらず、尚挿し込んでくる安易さ。
覗く、窃視、見る、そして見られる主題系への甚だしい無頓着ぶりもあまりに酷い。
こんなに怖さ少な目の控え目でいいのかと、物足りなく思い 挙げ句心配になる。
《DVD観賞》