小松屋たから

レディ・プレイヤー1の小松屋たからのレビュー・感想・評価

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)
5.0
これだけ膨大な数の人気キャラクターの版権や肖像権の映像化使用許諾を世界中の複数社と交渉。おそらく金額はもちろん使用時間や登場シチュエーションまで細かく契約。CG作成後もその再現度を都度確認・・

普通の常識的な映画人なら確実に妄想だけで済ます企画。原作小説があったとしても映像化は別物。「アベンジャーズ」のような権利元が同一のものとはまったく異なる奇跡の実写オールスター映画だ。まあスピルバーグから頼まれて断るコンテンツホルダーもあまりいないかもしれないが、それにしても、権利処理作業だけであまりにも多くのスタッフ、時間が必要だ。

それを成し遂げてしまったスピルバーグは本当に偉大。しかもこの映画の仕上げの時間と並行して「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」を撮影して完成までさせてたらしい・・

この人物と同時代に生きることができた映画ファンは、やはり幸せだと思う。

スピルバーグやルーカスの初期の頃から顕著になった映画のキャラクタービジネスが彼らの純粋なモノづくりへの思いを越えて大きくなり過ぎた。

権利とかマーケティング、マーチャンダイジングとか面倒なことは一度忘れて、みんなで集まって一緒にワイワイ楽しく馬鹿なことやろう!そして映画館に見世物小屋的な楽しさを取り戻そうよ!とスピルバーグが自身の反省も込めて将来への遺言的なメッセージを残した作品だと感じた。