かつきよ

マグニフィセント・セブンのかつきよのレビュー・感想・評価

マグニフィセント・セブン(2016年製作の映画)
3.7
かなり骨太な、ハードボイルドムービー。
七人の侍を下地に、荒野の7人としてリメイクされた作品をさらにリブートした作品ということで、わざわざ名作のリブートをするくらいですから、キャストも美術も画作りもかなり力が入っております。

ストーリーは単純明快でわかりやすいですが、政治、人種、時代感を押し出すような、匂いが漂ってきそうな下地が深いため、ちゃんと紐解こうとすると意外と内容が詰まってます。言い換えれば、よく設定が作られてると言えるんでしょうか。ただストーリーの深さに対して緻密さは足りていないのかなぁとは思います。しかし、そもそもストーリーを楽しむ映画ではないですし、私はそういった時代背景とかには興味がないので、とりあえずこいつが悪者なんだなーっといった感じでなんとなく楽しみました。

結論から言えばストーリーや脚本は普通です。キャラクタのドラマもややありますが、掘り下げが不足していて、命をかけてまで戦う動機が感じられないキャラクタもいました。
仁義かなーと思ったのですが、仁義を感じるほど深く描写されていないのが問題点でしょうか。
あとは若干ご都合主義というか、展開主義な所もありますね。

しかし、この映画において、そんなことはどうでもいいのです!!!

特に終盤の大勝負に言えることですが、アクションが素晴らしい!
戦争映画や抗争映画と違って、かなり魅せるアクションを徹底して描いてくれています。
ただの撃ち合いだけでなく、弓矢ナイフなど多種多様なシーンを見せてくれるお陰で、同じシーンを見ているというマンネリ感はありませんし、爽快感があります。
しかし、あくまでウエスタンな雰囲気は崩さず、見応えのあるスタイリッシュすぎるガンアクションを主体で繰り広げてくれますので、迫力はかなりあります!
私はこの手の映画は特に興味がないのですが、結構魅入られましたね。

あとは、何を差し置いてもキャラクタです!
好きな役者さんが1人でもいたら、必ず見るべきですね!
私はクリスプラットが大好きなのでこの映画を見ましたが、クリスプラット好きならこの映画はかなりお勧めです!7人の中でも演出は優遇されてますし。かなりお茶目でカッコいいキャラに仕上がってます!彼のガンシーンはかっこよすぎてやばいですね。百発百中です。ほんとに。外しません(他のキャラもですが)

あと、リブート前の作品を知ってる人は口を揃えていっておりますが、キャラクタがきちんと立ってるという所ですね。キャラ付けは今までそんなに濃くなかったようですが、今作では一人一人のキャラクタがしっかりと属性分けされているので、(7人多くて見るの大変そうだなー)とか思ってた私でもちゃんと把握できるくらいにはわかりやすかったです。特に部族さんとか…笑
キャラ一人一人の個性が際立っていて、人種も違うのでぱっと顔で見分けやすいですし、戦い方にも特徴が出ていてワクワクできます!

しかし、キャラの濃さに対してキャラクタの掘り下げはやはり浅いですし、メーンの7人の中でも掘り下げに差があります。好きになるキャラによっては、もっと知りたかった〜となるかもしれません。
私も、だいぶ優遇されている、クリスプラット演じるファラデーが最推しでしたが、優遇されている彼でさえもっと彼のこと知りたかったなーと観賞後思いましたし!いや、作中ではかなり活躍してスポットあびてたんですけどね。
いくら見ても見たりないですよ。

あと良いところといえば、画作りですね。
ワンカットワンカットが、とにかく鬼かっこいい!!!!
どこのシーンを切り取っても絵になりそうな、陰影ハッキリのビビッドな画作りなんですよね。
荒野の空気とか、暑さとか、埃っぽさとか、そういうのがふとした瞬間匂ってくるんですよね。
世界に引き込まれました。

そしてなんといっても、とにかく男臭い。
女性キャラはいますが、ヒロインではないです。もうヒロインとかいう話じゃない。
とにかく男臭さ!!!

そういう映画苦手な人は確実に楽しめません!しかし好きな人はとことん好きでしょう!

私は好きでした!!ファラデー!!

2推しはジャック・ホーンです。いいキャラですよね!人の服を着た熊です。

3推しは、インパクト賞でレッド・ハーベストです笑
彼が唯一自民族の言語以外を喋るシーンがとても素敵なので、是非見てください!
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