旅行先で映画を観るのが好きだ。
「旅行先まで行ってわざわざ映画を観る必要あるのか」と色んな人に言われるが、自分の生活圏内では観れる作品が限られているから、普段観ることのない映画を観れる大チャンスなのである。
旅行先という非日常空間でこれまた日常空間を飛び出して映画を観る。これこそ人類に与えられた究極の至福ではないか。知らんけど。
ともあれ公開館数が少ないが、映画ファンの間では噂になっている「ベイビードライバー」を観てきた。
エドガー・ライト監督といえば映画好きなら名前を聞いてピンと来ない人のほうが少ないんじゃないかと思うが、最新作となる本作は年間ベスト級の傑作と言ってよいと思う。
彼の映画は一見ふざけているように見えて、実はきわめて計算し尽くされていて、脚本の盛り上がりもキャラクターの配置もすべてがきめ細やかに采配されている。
それでいてそうした技巧が鼻につかない、気取らない映画になっていて、つまりエンターテイメントとしてとても優秀なのだ。
今作では楽曲がかかるタイミングと映像が完璧な調和を保っていて、ぶっ飛ぶようなオープニングから心臓を鷲掴みにされるようなノンストップのクライマックスまで観客を未知の世界へ誘ってくれる。
いやあ満足満足。
