まぐ

ベイビー・ドライバーのまぐのネタバレレビュー・内容・結末

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

今年1番がここに来て見つかったかも知れません。エンタメオブエンタメ!

ララランドと比較した前評判をよく見ていたのですが、所謂ミュージカル映画と違い音楽が一アイテムとして作中のリアリティをギリギリ壊さない(ギリギリ壊す?)程度に用いられています。
正直オープニングの期待感はララランドに引けを取りません。音楽に合わせて強盗の様子を流し作品のリアリティラインを示した後に、散々焦らしてからのカーチェイスには痺れました!
主人公の、仕事する際のターミネーターのような無機質さと、騒がしい音楽、カーチェイスとのギャップがまたなんとも言えず合ってるんですよね。ベイビーという名前も絶妙。

ララランドには絵でやられたのですが、ベイビードライバーには完全に話でやられました。特にサスペンス。何も知らないヒロインや身内、仲間であるようで信用できない共犯者など、キャラクターの立場の差の活かし方が上手く、追い込み方が徹底してるのがとても良かった。各キャラの2枚目な部分、3枚目な部分を両方描いているので、展開が単調になっていないのも特筆すべきところかと。
バディたちと一緒にヒロインの勤めるレストランに入るシーケンスで、悪友と一緒にいるところに家族や大人しい友達と遭遇する最悪な状況を連想したのは自分だけじゃないはず笑

ラスト、もう少し早く切っても良かったのでは?と思ったのですが、(これは見終わって他の方のレビューを見て初めて気づきました)音楽、車、ベイビーという名前…主人公を成立させるものであると同時に主人公を束縛しているものを全て捨て、新しく一からそれらに帰って来るという意味合いがあるんですね。なんという良いメッセージ。
バディに耳を撃たれる意味、ベイビーが車の鍵を川に捨てた意味、ベイビーの本名が明かされた意味もようやく繋がりました。

ボスが急に良い奴になったりなど、ツッコミどころも多々ありますが、気にならないほどワクワクさせられたのでこっちの負けですね!最高でした!
まぐ

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