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ベイビー・ドライバーのkoyaのレビュー・感想・評価

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)
5.0
私、この映画、大好きです。
音楽、編集、テンポ、リズム、脚本・・・車の映画でありながら、ありがちな「車好きだけの為の車映画」でなくしているのは、他の要素がきちんと計算され、粋でありながら、無駄がなく、テンポ早く、観客をぐいぐいと引っ張る力があるのですね。

監督は、エドガー・ライトで『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン』の監督で、イギリス、ワーキングタイトルの映画でもあるので、舞台はアメリカだけれどもかなり手の込んだ作り込みをしています。

不本意ながらその車の運転技術を買われて、逃がし屋をしているBABY(アンセル・エルゴート)
銀行強盗などの計画をするのは、ドク(ケヴィン・スペーシー)
実行犯は3人でプラス、ベイビーの4人。

冒頭、鮮やかに銀行強盗を逃がすBABY。
同じ逃がし屋でも、ライアン・ゴズリングが演じた『ドライブ』と違うのはベイビーは、訳あって音楽をずっと聞き続けている。
音楽がないと生きていけない、車が運転できないくらい音楽好き。
音楽というのがこの映画のものすごく重要な要素なんですね。

ドクの計画はどれも完璧なようでしたが、そうそう上手くいくばかりでなく、ドクは計画を中止しようとしますが、だんだん破綻していく。
BABYはどうなってしまうのか・・・・

BABYを演じたアンセル・エルゴートは、『きっと星のせいじゃない』の骨肉腫の男の子でしたね。今回は、無口で運転技術に長けている根は誠実な青年。よく行くダイナーのウエイトレスの女の子と上手くいきそうになっても裏稼業が足をひっぱる。

なんか映画進むにつれて、どんどん、パワーアップして加速度どんどんついていくので驚きました。
かといって、音楽、テンポ(編集の技)が素晴らしいので面白いし、つっこみだらけではあるけどなぁ、って思いつつ、これが映画の楽しみだなぁなんて思うのです。

オープニングクレジットのコーヒーを買いに行く1シーン1カットの長回しは粋なんだけれど、28テイクもやったそうで、21回目のテイクが映画に使用されたそうです。特撮もあるけれど、運転はスタントの人が本当にやってるとか。

でも、いや、良かったのは、一番、運転で高揚する音楽は?に対してクィーンの「ブライトン・ロック」と答える所で、後にこの曲が効いてきて音楽のテンポそのまま映像になってるのにびっくりしました。
あの曲は激しい曲だし、なつかしいやら、感心するやら。
ブライアン・メイのギターソロの部分と編集とがぴったり合っている!
今時の若者がクィーンの「ブライトン・ロック」って、やはり監督、イギリス人。
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