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ハンズ・オブ・ストーンの小のレビュー・感想・評価

ハンズ・オブ・ストーン(2016年製作の映画)
2.8
新宿シネマカリテの「カリコレ2017」での鑑賞4本目。パナマのスラム街に育ち、ボクシングの世界チャンピオンにまで上りつめたロベルト・デュランと彼を育てた米国人トレーナー、レイ・アーセルの伝記映画。ノレなかった。

ロベルト・デュラン、レイ・アーセルのどちらに軸足をおいて描きたいのかが良くわからない。さらにパナマとアメリカの関係を持ち出し、それがデュランのボクシングのモチベーションに大きな影響を与えているように描いているけれど、本当かなあと思うし、本当だとしても話が拡散気味に感じてしまう。

個人的にはボクシング映画といえば『ロッキー』で、①チャンピオンになるまでの過程(苦難、努力、運)、②迫力のボクシングシーンを期待してしまうのだけれど、まず①について色々盛り込み過ぎな感じで、良くわからない。

②の方も入り込めなかった。シュガー・レイ・レナードとの対戦2試合は、いずれも顔がキレイすぎ。特にレナードを倒してチャンピオンになった1戦目はあれだけ打ち合ったのにそんな顔なの?と。この映画の最後の対戦相手だけはさすがにボコボコになっていたけれど、途中からとにかく顔が気になって、試合がリアルに感じられなかった。他のボクシング映画もこんなだったかな?

また、リターンマッチとなるレナードとの2戦目、レナードの徹底したヒット・アンド・ウェイ(パンチを打ってすぐ離れる)戦法に嫌気がさしたデュランは、第8ラウンドに突如として試合放棄してしまう。

この出来事は、デュランが放った言葉とともに「ノー・マス(もうたくさんだ)」事件として語り継がれているそう。映画ではこの真相らしきことを描いていて、デュランにも同情の余地があるとでも言いたげなのだけれど、それほど共感できず…。

デュランの伝記としては良いのだろうけれど、痛快ボクシングエンターテインメント作品を見て、スッキリ爽快になるつもりが、なんだかなあ、と。自分だけかな?

●物語(50%×2.5):1.25
・ゴチャゴチャしすぎで、何が言いたいのか、どこに自分の気持ちを置けばよいのか、良くわからない。

●演技、演出(30%×3.0):0.90
・演技はいいけど、演出がなあ。

●映像、音、音楽(20%×3.0):0.60
・可もなく不可もなく的な。
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