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首の小のレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
3.9
「芸人だよ、バカヤロー」。北野武監督に「何なんだ、お前は!」と怒鳴ったらこう返されそうな感じの映画かな。

「笑われるんじゃねえぞ、笑わせるんだ」「客に媚びるなよ、何がおもしれぇかはオメェが教えてやれ」(ビートたけしの師匠・深見千三郎の言葉、らしい)。

テレビではタブーとされるネタを生放送で披露し、芸人として頂点を極めたビートたけし。そのテレビはもはや彼の信念を貫き通せるメディアではなくなった。

テレビで絶対にできないかっ飛んだ演技とリアルな演出で観客を困惑、緊張させ、自身のシーンはコントの緩和で笑いを引き出し、オチもしっかり。

“映画”作品としての評判は高くないように思うけれど、芸人・ビートたけしがやりたいことができるのは、映画というメディアだけなのかもしれない。

「暴力映画におけるお笑い」をテーマとする次回作が「“日本の”パロディ映画」として世界に認められて欲しい、とタケちゃんマン世代のオジサンは切に願います。
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