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ノクターナル・アニマルズのshihoのレビュー・感想・評価

ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)
3.7
「シングルマン」に次ぐ、デザイナートム・フォードの監督作品。

冒頭から度胆を抜かれました。
あのシーンすごかったな。スーザン、いやトムよ、あれは何を表してるのか凡人の私に教えてよ…。なんか美しいみたいな怖いみたいな、不思議で強烈な力があって見入っちゃいました。

さて内容はと言うと、作品内の言葉を使うと私には暴力的でパワーが強過ぎてちょっと合わなかったです…。

芸術家として成功してセレブになったけど、夫には浮気されているし空虚感を感じている主人公スーザン。
そこに大学院時代に2年だけ結婚していた元夫から新作の小説が送られてきます。読み進めながら、スーザンは彼との過去に思いを馳せます。

現在と過去、そして小説の中の世界を行き来するストーリーですが、トムフォードらしく非常に印象深く(特典映像の解説で見ましたが)それらの色彩を操りつつも溶け合わせている手腕はさすが。

ネタバレはしないようにコメ欄に書きますが、この小説を読んでスーザンが元夫に「今読んでるけど、強烈で素晴らしいわ」って言える感覚がわからなかったです…。
その小説シーンをまるで回想みたいにかなり時間を割いて(現実パートと過去パート足しても小説シーンの方が多いんじゃ?)本当にあったことのように撮っているので、内容にハラハラしつつ私はこちらをかなり引きずってしまって、肝心のスーザンの物語に入り込めなかったような気がします。

スーザン役のエイミー・アダムスは美しく(化粧薄い方が断然きれいだぞ!わざと厚化粧にしてるんだろうけど)、彼女の現夫役が私の好きなアーミー・ハマーだったのでちょい出ながらトム・フォード作品に出てる彼を見られて幸せです(//∇//)いい声だなぁ♡

ジェイク・ギレンホールの二役もお見事。あと警部補役なマイケル・シャノンさんも良かったです。

う〜ん、癖が強かった。辛かった。
次はもっと美しいお話をお願い!
トムフォード!


おまけ
「君は悲しそうな目をしてるね」って心の中に悲しいことがある人にとっては物凄い口説き文句ですね。詐欺師が使いそうです笑
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