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ラブ・アゲインのkuuのレビュー・感想・評価

ラブ・アゲイン(2011年製作の映画)
3.8
『ラブ・アゲイン』
原題 Crazy, Stupid, Love.
映倫区分 G
製作年 2011年。上映時間 118分。
スティーブ・カレル、ライアン・ゴズリング主演で描くロマンティックストーリー。
監督はグレン・フィカーラとジョン・レクア。
共演にジュリアン・ムーア、エマ・ストーンら。

40代の生真面目な男カルは、妻エミリーが浮気をし離婚を切り出される。
高校時代からつきあっていたエミリー以外の女性とデートもしたことがないカルだったが、ある夜、バーでプレイボーイのジェイコブと知り合い、ジェイコブの助言でファッションや髪型を磨いて新しい人生を歩もうとする。

偉そうな事を書くことを許してもらえるなら、愛にはさまざまなものがあると云えます。
包み込むような美しさがあり、痛みを伴い、常に変化しています。
愛が人々の中に芽生え始めたとき、人々は巨人の肩の上に立ち、この素晴らしく小さな生命体として世界を受け入れる傾向がある。
しばらくすると、その愛が変化し、あるときは良く、あるときは悪く。
その愛が急降下したとき、人々はしばしばそれを一挙に避けちまう。
しかし、愛がどんなに説明のつかないものであっても、どんなに胸が締め付けられるものであっても、愛はいつでも手の届くところにあり、最も必要とするときに抱きしめることができるものなのだということを、今作品は多少なりともは教えてくれます。
愛とは様々な角度から生まれるものであり、だからこそ、つなぎ合わせたタイトルだけでなく、多くのキャラが真摯に輝いている。 
ありえない友人、少年とベビーシッター、女たらしとロマンチストの関係を描いた今作品は、シンプルなキャンバスボードの上に一筋の色を描き、使い古されたジャンルに洗練されたタッチを与えている。
2009年に公開された一風変わった刑務所ラブ・ストーリー『フィリップ、きみを愛してる!』の脚本・監督コンビ、グレン・フィカーラとジョン・レクアは、芽生えたばかりのロマンスから生まれる様々な面を描くのがうまい。
彼らの愛の扱い方は、高級アダルト書店の屋上でいかがわしいロマンス小説の束に火をつけ、世の中の枯れたロマンチストたちに煙の信号を送っているようなモン(分かりにくい喩え🙇)。
今作品は、それぞれの状態を見ることで、彼らが後に育む絆がさらに深まり、野郎同士の友情の真髄を味わうことができました。
恋愛の狂気を描くとまではいかないけど、グレン・フィカーラとジョン・レクアは、登場人物に愛着を持てるだけの魅力とウィットを加え、どんな関係もいかに力強いものかを示しています。
これらのキャラに命を吹き込んでいるのはアンサンブルキャストで、全員が以前にも同じ役柄を演じたことがあることを考えると、驚くほど新鮮に感じられます。
運の悪い40歳を演じたスティーブ・カレル、混乱した浮気妻を演じたジュリアン・ムーア、魅力的で責任感の強い女性を演じたエマ・ストーン、そして悪役のケビン・ベーコンを見たのはつい最近のように感じられるけど、今作品ではそのようなことはない。
いずれも何度も経験したことのある役者たちやけど、まるで新しい恋のようなピュアな気持ちにさせてくれました。
キャルの息子ロビー役のジョナ・ボボ、ベビーシッターのジェシカ役のアナリー・ティプトンは、まるで初めて恋に落ちる自分を見ているような生々しい感情を画面にぶつけてくる。
今作品は、これほどうまくいくはずがないのに、ほとんどすべての点で個人的には嵌まった映画の一つです。
邦画タイトルより 『Crazy, Stupid, Love.』の原題の方が個人的には今作品にピッタリなんちゃうかなぁと。
たた、愛が本当にクレイジーで愚かなものであることを示すには今作品では少し物足りないが、悪くなった愛とまだ始まってさえいない愛を美しく表現しています。
ダン・フォゲルマンの脚本は、ロマンティック・コメディというジャンルに活気を与え、今あるものを受け入れながら、若い頃の苦悩を懐かしむようにさせてくれる。 
他人の結婚の不幸をこれほど軽妙なウィットで喜べる作品はめったになく、現代のロマンス映画の中でも上の方かなぁなんて思ってます。
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