馮美梅

ルームの馮美梅のレビュー・感想・評価

ルーム(2015年製作の映画)
4.0
7年間監禁されてながらも、いつかこの場から出るために、ここで生まれた息子ジャックと生きているジョイ。

5歳になったジャックに本当のことを話すジョイ。そして世紀の脱出劇が始まりました。ひたすらママの言葉を思い出すジャック。カーペットから出て見える景色。しかし見つかってしまいやばい状態に。そんな時、ママの言葉をを思い出し助け出されたジャック。そしてジョイも無事保護された。

ようやく訪れた自由な世界のはずなのに、やはりジョイにとっても、家族にとっても埋められない何かが重くのしかかっている。

犯人に対しての怒り、しかし、ジャックの父親でもあるわけで、ジョイの父親はジャックと向き合うことができない。

自由になれば、いろんな感情や、自分たちの置かれている現実、奪われた時間何もかもがジョイにのしかかって、バランスが取れない。

ジャックは健気だった。
でも、彼なりにジョイを守ろうと頑張るし、そんなジャックにそっと寄り添う大人たちがいてくれ、お友達もできた。そんな息子に励まされジョイも少しずつ自分と向き合うようになる。

きっと世の中に、同じような人がまだまだ沢山いるんだろうな。ちょっとした親切心に付け入ってこういうことをする人。でも、たとえにくい男性の子供だったとしても、ジョイにジャックが生まれてくれたことは本当に良かった。彼女の生きる道しるべになってくれたから。

人間生きていく環境というのがいかに大事なのかということも突きつけられますね。もし、ジョイが創造性豊かで、良識的でなかったら、ジャックはあんな風に育つことはなかっただろうと思うと、違う意味で恐ろしい。

母の強さと子供の無垢さと強さに1人でも多く、こういう人たちが早く助けられるといいな。
馮美梅

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