馮美梅

私の親友、アンネ・フランクの馮美梅のレビュー・感想・評価

3.8
アンネの親友だったハンナの物語。
物語は収容所にいるハンネが、同じ収容所にアンネがいるという情報を聞くが何とかコンタクトを取ろうとするけれど、難しい。そんなシーンの間に所々、アンネが隠れ家に行く以前の頃の2人の様子が回想シーンとして描かれる。

あまり自己主張をしないハンナに対して、好奇心旺盛なアンネ。
仲は良いけれど、若干アンネに振り回され気味なハンナ。

彼女の家族は父親と身重の母親そして妹の4人家族。
ユダヤ人狩りが激しくなっていく日々。

ある夜、ハンナと妹は医療棟へ。そこには父の姿が。
ドイツ人捕虜との交換の日が決まったという父に嬉しい気持ちになるハンナだが、気になるのは近くにいるのに会えないアンネの事。

回想シーンで度々オットーの会社のシーンが出てくるんだけど、そこでアンネはすでにのちの隠れ家に何度も入っているというのは…。

確かに会社には小さいころから度々行ってはいたけれど、隠れ家の存在は知らなかったのにねぇ。そしてそんな中、近所の同級生家族も捕まっていく。

ある日、ハンナはアンネの家に行くがそこにはもうアンネの姿はなかった。ゴールドシュミットという男性がいて、一家はスイスに向かったと告げられる。何も言わずに自分の元を離れたことにショックを受けるハンナ。

そして阪奈の家族の所にもゲシュタポがやって来た。
なんとかその場は凌げたけれど、母の容態が急変する。産婆を呼びに行こうとしたハンナだけれど、結局途中で引き返し母は亡くなることに。

夜、収容所のベッドから抜け出し、鉄条網の壁の前に向かうハンナ。
ようやく再会できた2人だけれど、姿を見ることはかなわず。

何とかしてアンネを助けたいと思うハンナ。何とかして食べ物をアンネに渡そうとするハンナ。何とか食料をアンネのいる方に投げ入れるが、アンネの手には届かなかった。そして父も助からなかった。

姉妹2人となったハンナ、そして離れてから初めてお互いの姿を見るが、アンネの姿に驚くしかないハンナ。そしてハンネたちは解放される。

親友同士が何の因果かわからないけれど、同じ収容所にいて、1人は捕虜交換収容所、もう1人は一般の捕虜収容所にいる。同じ収容所でもハンナの方はまだ強制労働もなく、髪の毛を剃られることも、身ぐるみはがされる事も無く、厳しい生活とはいえまだましだったけれど、アンネたちの方は悲惨の極みのような中生きていた。

収容所内でチフスは蔓延し、結局アンネもそれが原因で亡くなってしまう。でも、絶望の中でも、最後ハンネを少しでも再会できたことはアンネにとってもハンナにとっても幸せだったことじゃないかなと思う。
馮美梅

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