踊る猫

パーティで女の子に話しかけるにはの踊る猫のレビュー・感想・評価

2.8
いわゆる「フツー」に出来た映画を観たいなら、この映画はお薦め出来ない。ツッコミどころ満載の設定、チープな特殊効果、そして素人臭い芝居。その意味で点はどうしても低くなってしまう。だが、この映画のメッセージ性を抜き出して観てみるとどうなるか? それは即ち「パンクとはなにか」という問いから逆算してこの映画を観てみることだ。権力に楯突く、そして自由を謳歌して権力に寄生してしぶとく生き延びる「ウィルス」としてパンクを捉えること……この映画のエル・ファニングの選ぶ行動はそんなパンクの反骨精神(!?)をなぞっており、パンクに目覚めることと異星人としての掟から解放されることが同一化していて、彼女がスクリーン上で「EAT ME」と叫ぶ場面の迫力/切実さと結びついて来る。なるほどこれはパンクを知り抜いた映画監督でなければ描けなかっただろう。なかなか侮れない珍品だ。
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