言語の"応酬"は争いを生むけれど、言語の"やり取り"は心をつなぐ。
シンプルだけれどこんなにもドキドキする、胸を熱くする。言語って人間が得た魂や肉体と同じく素晴らしいものだと改めて思いました。
SFをこういう角度から紐解くのは、私も未確認生命体やUFOを信じる身としては大変興味深いです。
映画でのエイリアンたちの描かれ方はあくまでも「侵略者」という雰囲気のものが多いので、視聴者の方もどうしてもほんのりとした敵意を胸に見てしまいます。
しかしこの作品は彼等との対話。
かつてETが起こした奇跡のようなものではなく、人間の大人たちが真剣に彼等との対話を試みるのです。
劇中にもありますが、人類はそういった理解のできない土地に降り立ち全く違った環境で生きてきた人々と対峙する場面が歴史上に何度もあったと思います。
しかしその後双方言語でのその歴史の描かれ方は全く異なる。
何故ならばどちらかが侵略者、そしてどちらかが植民地となったからです。
エイミー演じるルイーズ博士は、様々な意味で体当たりの演技。対話とは、どういう姿勢でするべきか、表情、敬意、温もり、そして思いやること。
相手が誰であろうとこの姿勢は一生涯必要なものだと思いました。
大変感動です。素晴らしい映画。
