トルーパーcom

ジャック・リーチャー NEVER GO BACKのトルーパーcomのレビュー・感想・評価

2.5
トムクルーズ主演のジャックリーチャーシリーズ第2作。M:I フォールアウト公開タイミングで個人的トムクルブームが再来し復習視聴。

◼︎ジャックリーチャー シリーズ
トムクルーズといえばM:Iのイーサン・ハントだが、このジャックリーチャーはイーサンと対になるキャラとして大事に育てて欲しいシリーズキャラクターである。

地味とも思えるが自身の身体能力と洞察力のみで立ち向かうリーチャーは、ハリウッドの大作映画全般の流行に逆行するキャラクターで、M:Iシリーズという看板を持つトムが、それと並行してこのシリーズを続けることに意味があると思う。

流れ歩くリーチャーが行く先々で事件を解決し去って行く一話完結型のストーリーであり、原作は21作もあるし、どこから観ても大丈夫なので、トムが動ける限り寅さんのように延々と製作可能。あと10年は続けられそう。

<以下ネタバレあり感想>

【1】エピソードについて
個人的にはこの第2作は正直言って少し不満だった。なんていうか、2作目にして早くもリーチャーのキャラが少し薄まってしまったというか。

「リーチャーに娘がいた?」という変化球により、事件の解決と娘の保護を両立させなければならないというのが本作の流れ。

でもこれって、
「リーチャー=1人で戦う孤高の男」
的なイメージがもっと確立してから作るべき話だったと思う。
まだまだ観客にとってはトムの演じるリーチャーのキャラがそこまで確立されてないので、サムを守るために走ったりするリーチャーを観ても、新鮮さではなくいつものトムクルーズにしか見えない。

マンネリ化しはじめるリスクのある4-5作目くらいにこの話を作るべきだったのでは。
2作目はもっとノンストップでリーチャーが無双するだけの映画でよかった気がする。えげつなく相手をボコボコにするシーン満載の。
まだトムの体が動くうちにそういうの作っておいて、内面や人間関係重視の話は10年後くらいでよかった。

リーチャーって容赦ないように見えて、実は思いやりも。。あるよな?って少し思えるシーンがちょっとだけあるような作品を間に挟んでからこういうの作った方がよかったと思う。


【2】キャラクター
◼︎ターナー少佐
アベンジャーズシリーズのマリアヒル役でお馴染みのコビー・スマルダーズがヒロインとして登場。いや、ヒロインというよりダブルヒーローというべきか。
スタイル抜群だしアクションの立ち回りも絵になるカッコいい女優さんなので文句なしだった。バスローブ姿の破壊力ヤバい。
リーチャーと擬似夫婦っぽい状況なのに恋愛シーンにまでは発展しないバランスも◎
制服復帰姿含めとにかくカッコよくて本作のMVP。

◼︎サマンサ
リーチャーの娘として登場するサム。
ぜんぜん美少女でもスタイルよくもない普通の娘で、ピンチばかりまねくけど意外な機転や度胸はある。
無能なのか有能なのかわからない感じがコテコテだけど愛嬌あるので嫌いにはなれない。この娘に共感・感情移入できるとこの作品はそれなりに楽しめるんじゃないか。

ラストの活躍もあまりにもベタで予想通りすぎるけど、まあ「やったぜ!」ってなるよね。
このジャックリーチャーシリーズはこういう予想できすぎのコテコテ感/ベタな昔の映画感的なものを意識的に入れて作っている気がする。


【3】演出
前作とは監督が交代。マッカリー監督のぐるーっと回り込んでくるカメラワークやタイマンの格闘/銃撃戦などのアクションシーンの撮り方がかなり好きだったのだけど、そういう要素が消えていてちょっと失望した。

ミステリー要素一応あるのにあまりそこに興味がいかず、何に向かってストーリーが進んでいるのか途中でわからなくなる。

男女ヒーローの似たような逃亡劇でいうとインクレディブルハルクやキャプテン・アメリカウィンターソルジャーがあるけれど、素人のサムを連れているという部分を差し引いても、探知されることへの警戒がなさすぎてリーチャーたちが若干マヌケっぽく見えてしまう。

スーパーパワーがないけど軍人の2人なんだから、追手から逃げ切る立ち回りの部分で「すげええええ!!」って知恵をもっと見せてほしかった。

◼︎スコア
★2.5ですかね。
オープニングの事件のトコは最高なので、ああいう路線で2時間作ってほしかったです。
リーチャーのキャラに合うかはともかくラストもまあよかった。最初と最後はGoodです
トルーパーcom

トルーパーcom