【まさに若者の心を掴む、新海誠監督の集大成】
◎良かったところ
今更、Netflixで鑑賞
今までマニアックな一面もあった作品を作って来た中で、その独特さを内容しながら、あまりにみやすい仕上がりになっている
設定、プロット、ビジュアル、演技、演出、全てがコンパクトにまとまっていて、見やすく面白い。
多くの人が夢中になったのもうなづけます。
その裏で新海誠監督の作家性が表現の深みを与えていく。
新海誠監督は自分は映画を作るのが下手だとよく言う。多分それは届けたい思いが、回りくどくなってしまって伝わらないということを繰り返して実感して来たことなんだと思うが、その内省がこういった形で結実するということ。
ただのアーティストではできない、誰もが惹かれる物語を作るということ。
それによって、監督は日本における快挙を可能にした。
一人で自主制作作品を発表し、突如現れた稀代の天才は、この作品で唯一無二の地位を獲得した。
その境目と言える作品だなと思います。
●良くなかったところ
とはいえファンからの声はポジティブなものだけじゃない。
ほしのこえ、秒速5センチメートルなどから続く独特さは、何割か消えつつあり、僕個人としても、少しあざとい展開や演出が作品としての濃度を落としているように感じた
本作で見出したポピュラーなスタイルと、新海誠の作家性、独創性
この未だ相反する二つの要素が掛け合わさり、シナジーを起こした時、ジブリを超える大名作ができるのではないかと期待しています。
すずめの戸締りはそこに一歩近づいた作品だと思うし。
君の名は、天気の子、すずめの戸締りと震災へのメッセージを伝え終えた監督がこれから何を作るのか
僕はそこに新海誠監督の新たな集大成があるのではないかと密かに期待しています、