◎スラダンじゃないとできない、バスケットで人間を描いた珠玉の一作
◎良かったところ
いやー痺れましたね。あまりに周りが盛り上がってるので早く見ないとという焦りにおそわれながらやっと鑑賞。
そして、見ていなければ一生後悔するところだったと思いました。
本作の魅力はスラムダンクという唯一無二のスポ根作品を通して熱いスポーツを描きながら、人間を描いたドキュメンタリーに仕上がっているというところ。
CGでの描写や、声優の総とっかえ、近年の展開の凝ったアニメ作品に対比するように荒い筋書き。
全てにおいて、アニメチックというよりも、ドラマチックで、漫然とした展開と、人としての熱さのぶつかり合いが、常に並行してある、不思議な作品展開になっていました。
この描き方って、そこらの単発映画ではできない描き方。
今に至るまで日本を夢中にさせたスラムダンクだからこそ、このたった一試合に全てがこもっていた。
演出力がとにかく高くて、緩急の中でただただ気持ちよく流れるように見れました。
1人にクローズアップする潔い描き方も良かったですね。
これはスポーツアニメではない。
ファンを巻き込んだ、濃密な青春ドキュメンタリー映画だったように思います。
●良くなかったところ
とはいえ、映画単体で見れば荒い点も多いなという印象。りょうたの親子の話を主軸にしているとはいえ、まばらに他のキャラについても描いていて、試合と回想を繰り返しながら、少しマンネリを感じた部分もありました。
素晴らしい演出や音楽が少しでも、何かしらずれていたなら、ここまでのめり込める作品ではなかったように思います。
◎総評
とにかくスラダンとそのキャラたちをもっともっと好きになる、素晴らしい作品でしたね
熱いスポーツアニメといえばハイキューなども好きですが、この描き方は現代のどの漫画、アニメもできないのではないでしょうか、
流石に続編とかはないでしょうが、少し新ジャンルが開拓されたように思ったので、ここを掘り下げてくれる作品が生まれることにも期待したいです。
素晴らしい作品をありがとうございました!