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何者の6のレビュー・感想・評価

何者(2016年製作の映画)
4.0
主人公への言葉が、何故かそっくりそのまま自分に刺さる気がした。

この春に辛かった受験期が終わった。終わってしまった。もうやり直すことはできないだろう。他人の進学先の偏差値を調べて、挑戦もしてない自分と比較なんて何度もした。周りからの評判とか、社会の風潮とか、どうでも良いことばっかりが気になるんだよね。俺が良ければそれで良いのに。結局自分が求めていた道には進めずに、妥協したような形になった。正しく光太郎のような形だったと思う。

周りの合格への祝福も上辺だけだったのかも知れない。拓人みたいに、自分と違った道に進もうとする人を心の中で批判して、自分をただ正当化しようとしてただけだ。

受験期で自分の価値観が変わった。こんな苦しい期間を経験してない人間とは一緒になりたくない。されたくないと思った。久々に再会したミニバスのメンバーとの親子食事会でショックを受けた。ここでも俺は周りの奴らを心の中で批判して、受験に対して無知な発言をした奴にアホレッテルを貼り付けた。俺が凄いわけでもないのに。これも全部俺のためだ。俺の進む道が間違ってないんだって思い込みたいだけだ。

自己PRを1分なんかでできるわけがない。1分で語れることなんてたかが知れてる。自分はそう思ってるくせに他人のことは僅かな情報で「できる奴」と「できない奴」に無意識のうちに分類してた気がする。
自分の保守のために他人を批判的な目線から見ようとするのはもうやめよう。そんな考え方何も生み出さない。自分が良ければそれで良いじゃんか。勿論他人に誇れるような大学じゃない。でもそんなことどうでも良いよな。ここで何をして何者になるのか。大事なモラトリアム期間の始まりで大切なことに気づけた気がする。PRのために何かをするんじゃなくて、誰にも知られなくても自分の中で確固たるものを積み上げたい。他人を受け入れながらも、それでも俺はこれでいい。これがいいんだって思える人生を送れたらいいなあと思う。
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