へたれ

ダンケルクのへたれのレビュー・感想・評価

ダンケルク(2017年製作の映画)
3.8
戦争映画の体裁を取っているものの、ドイツ兵の姿は全く見えないので、追い詰められた人々とそれを助けようとする人々、という抽象化された状況を丁寧に描いた映画として楽しめた。

ハンス・ジマーの劇伴は時計の秒針をモチーフに、旋律らしい旋律を持たず、8分音符または16分音符で常に焦燥感を煽り、デジタルな音響芸術に近い。この劇伴がなければ、これほどの緊張感は描けなかったと思う。

音響については、プライベート・ライアンほどの衝撃はないけれど、金属を貫く銃弾の音は印象に残った。

フィルムへのこだわりや、CGに頼らない姿勢は、裏話としては素晴らしいけれど、それがどこまで映像に説得力を与えたのかは良く分らなかった。

ストーリーの展開が殆どないアトラクション映画なので、映画館で観ないと良さが全く分らないと思う。
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