踊る猫

ダンケルクの踊る猫のレビュー・感想・評価

ダンケルク(2017年製作の映画)
3.8
良く言えばタイトに引き締まった作品だ。何処にも無駄がない。悪く言えばその分ストーリーの豊満さが足りない。例えば『インターステラー』や『インセプション』のような作品のエンターテイメント性を期待して観れば、肩透かしを食らわされるだろう。この映画が語ろうとしているのは、やや暗めの映像で映される海軍と空軍と民間人の攻撃と救出劇であり、それ以上でもそれ以下でもない。巧妙に伏線を張り過剰過ぎる台詞回しで魅せて行くクリストファー・ノーランはこの作品ではそうした作風を封印し、敢えて音楽に多くを委ね台詞を削りに削って引き締めたドラマでこの作品を引っ張って行こうとした。その試みはしかし成功したと言えるのか? 私の言うことだからアテにはならないと思うのだが、多分『インターステラー』で全てを出し切ったクリストファー・ノーランはここに来て新しいことをやろうと考えたのだろう。それが成功するのかどうか。なかなか曲者な一作だ。
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