彦次郎

エデン、その後の彦次郎のレビュー・感想・評価

エデン、その後(1970年製作の映画)
3.0
カフェ・エデンに集まりロシアンルーレットゲームや葬儀イベントやご性交に励むパリの大学生たちの1人ショートカット美女ヴァイオレットが怪しげな男から渡させた粉末で幻覚もしくは不思議な世界を彷徨うシュールレアリスム(現実世界にとらわれず、作者の主観による、自由な想像を表現しようとするもの)ドラマ。
ヴァイオレットの持つ絵(父だか叔父だかのモノ)が重要アイテムでミステリーなのか、沢山死にいく学生たちを通してのサスペンスなのか、SMなどの情事を描いたエロティシズムなのか、もう1人の自分が現れることで内なるものを描いた哲学的なものなのか、色々な要素がありそうでどれも散漫に話が展開していくのが特徴です。
後半の舞台となるチュニジアですが1881年にフランスの保護領となり1956年にフランスから独立しております。青い海がとても美しい情景でフランスと比較すると異世界で天国というか楽園的にも思えます。タイトルの『エデン』はフランスのカフェでもありこのチュニジアで神の意志に反して(禁断の実=ヤクとかで)楽園を追い出されてまたフランスの日常に舞い戻らされたとも解釈できなくもないですが…。多分監督の高尚な思想が散りばめられているのでしょうが無教養な視聴者たる自分には掴みとれませんでした。
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