彦次郎

スティンガーの彦次郎のレビュー・感想・評価

スティンガー(2013年製作の映画)
1.5
麻薬捜査隊によるアジト壊滅作戦により麻薬組織から狙われる潜入捜査官ペペルを描いたロシアのクライム映画。
躊躇の無い銃撃戦、無情な結末などロシアの世情を反映させたかのような話です。
画面が暗く陰鬱なのもそのためと頷けます。手振れ撮影も迫力を出したいためなのでしょう。会話シーンにも手振れ撮影を活用しているため鑑賞していると三半規管にダメージを与えてくるあたりはロシアの恐ろしさを視聴者に物理的に与えようとしているとしか思えません。
同じロシア発の「ハードコア」も三半規管に影響がありますがあちらは内容が熱かったため気になりませんでした。今作は三人称視点でなおかつ話も地味め(銃撃戦は見ごたえありますけど)なのが辛すぎます。
考えようによっては映像と苦痛を視聴者にリンクさせる斬新な体験型映画と言えなくもありません。
内容的にZ級映画ではないのに撮影でZ級の淵に近づいた稀有な作品といえましょう。
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