考えるキッカケにする作品。
死刑制度に関する討論型世論調査のワークショップの様子を映すドキュメンタリー。
死刑制度の是非は日本に住む我々に課せられた重要な問題だと思う。しかし、日本の行政は死刑制度に関する情報開示に消極的のようだ。情報が足りなければ、問題を解決するための有為な議論ができないはずなのに。
ということで、主催者がいくつかの角度から情報を提供した上で参加者が議論し、それぞれが出した答えを世論として捉えようというのが討論型世論調査だそうだ。
死刑に賛成か、反対か。感覚だけで答えを出さずに、きちんと考えてみよう。と、この映画は投げ掛けている。
そもそも刑罰とは何か。罪に対して社会はどう関われるのか。被害者遺族が加害者を「殺してやりたい」と思うのは悪か。その気持ちに報いるために国家が罪人を殺すのか。死刑執行後に冤罪と判明した場合、その死をどう償うのか。もしかしたら、償う術が無いから冤罪を認めない方向に圧力がかかるのか。