なんといっても歌がこの作品での目玉であることは間違いない。
しかし夢を追う者たちのドラマも見どころである。
彼らには様々な背景があって、夢を叶えることにおそるおそる一歩踏み出すのである。
そんな様子がやはりポップに描かれていて、とても観やすい。
家業を継ぐことになっているが歌手にどうしてもなりたいジョニー、自分に自信の持てないミーナや、子育てや家事に追われているが歌うことにロジータなど…。
テンポ良く彼らの日常を楽しく観れる。
老若男女問わない笑いでちゃんとストーリーにも集中させてくれる。
しかし歌のシーンとなると歌手の方が声優をつとめているとだけあって(字幕鑑賞で)、さっきまでの笑いの場からステージへの緊張感に転じるのである。
このメリハリこそ作品の面白さだと思う。
コメディ映画から、一気にバックステージ型ミュージカル作品へと転換するのである。
そして子供中心のターゲットの映画であるので、基本的に優しい世界の作品であり観ていて安心感がある。
軽く観れて笑い、歌に感動するエンターテイメント作品だった。