ゴッホの死後、ゴッホが書いた弟テオ宛の手紙を渡すべく、郵便配達員の父から手紙を託された青年アルマンが、テオを探し、やがてゴッホの死の真相を追い求める旅をするというストーリーです。
アルマンがゴッホゆかりの地を訪ね歩き、彼の生前の人柄や暮らしぶり、芸術家としての生き方に触れて行くのですが、ゴッホを知る人達の証言は様々で、ひとつの人格とは思いにくいような相反するような面も多く、多面的にゴッホという人物をあぶり出しています。
ですが、やはり時代がゴッホに追いつかず、生きてる間には評価されなくて絵が売れずに弟の支援なしには芸術家としては暮らせなかったり、ゴーギャンとの関係のもつれから精神を病んだりと苦悩の多い人生だったでしょう。
自殺か他殺か、病んでたのか正気だったのか、今もなお謎を残したゴッホの最期。
そのミステリーに迫っていますが、わたし的には少し冗長に感じてしまいまして、それはゴッホの死の真相にあまり興味がないからなのかもしてませんが、そんなストーリーより何より、とにかく絵が素晴らしくて、それをスクリーンで見れたことが一番の感動でした。
大好きな夜のカフェテラスや星月夜、跳ね橋など、お馴染みの風景が登場し、それが動いているので、あのゴッホの鮮烈で美しい世界に入り込んだようで感激です。
グッとくるのは、部屋のベッドにゴッホがいたこと。
実際の絵だとあの部屋は無人でしたが、うれしくなってしまいました。
狂気や情念を感じさせるようなあの激しいタッチや色づかいなど、忠実に再現し、しかも途方もない枚数の油絵を描いてアニメーションにしたアイディアと心意気には驚かされましたし、素晴らしい試みだと思いました。
それを見れただけで大満足です！
133
