ねこ無双

だれかの木琴のねこ無双のレビュー・感想・評価

だれかの木琴(2016年製作の映画)
3.0
何の変哲もない普通の家庭の主婦が、出会った美容師の青年にストーカー行為を始めてしまう。
池松くんの飄々とした好青年役良かったです。

終始沸点が低そうな女性。どこでスイッチが入ってしまったのか、まるで解らないんだよね。相手の男は営業トークで接してるだけだし。
登場人物達みんなストーカーっていう案件にありがちな反応をしないあたり、変わってるな〜と思いました。
この女性は実は青年の実態に恋してはいなくて、むしろこの若者カップルは利用されてたんじゃないか、って気にもなる。

何も知らなかった女性の娘が、同じ美容院を訪れ、同じ青年に担当してもらうんだけど。それを知った女性の静かな動揺がリアル。現実の世界と繋がってしまった事に気付いてしまったような。私だけの世界を侵されたとでもいうような。
彼女の行為は過激さがある訳じゃなくて、普通よりはあれっ、距離感が変…という逸脱さなんですよね。あ、でも着メールあれだけあったら、恐怖か。

夫婦なのに触れているようで触れていない、そんな寂しさを感じさせられる映画でした。