朱音

オール・アイズ・オン・ミーの朱音のネタバレレビュー・内容・結末

2.8

このレビューはネタバレを含みます

2PACについては数曲を聴いた事がある。東西ラップ抗争の果てに死亡した。くらいの知識しかない。

実録とは分かっているがやはり退屈だ。
へーこんな事があったんだ、なるほどね。以上の感想が生まれないのがこういった類の映画で、主人公の人物にどれ程の思い入れがあるかによってエピソードの重みが変わる。
人生のサンプリングというか、ベストアルバム的な出来事の列挙にすぎない。
もともとの来歴が多少センセーショナルな事は物語に面白みを齎してはくれる。

ライブシーンはなかなかの迫力、2PACを演じたダナイ・グリラ肉体美を存分に堪能出来る。90年代のHIPHOPファッションカルチャー博覧会としても一見の価値はある。けだし彼の何が特別であったのか、それを言語化、ないしは映像化出来ているとは思えない。
曲を発表して、トントン拍子にスターに駆け上がってゆく過程をこそ、もっとじっくり、映画的なエビデンスをもって表現して魅せて欲しかった。

デス・ロウ・レコーズの室内がこれでもかというほど紅いのが、晩餐シーンとともに印象に残った。
朱音

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