Xavier

C.R.A.Z.Y.のXavierのレビュー・感想・評価

C.R.A.Z.Y.(2005年製作の映画)
3.7
男って父親に認められたいってとこ、あるよなぁ…
1960年代、カナダ・ケベック
保守的な家庭の5人兄弟の4男として育ったザック。
「特別な子」と呼ばれた彼は、軍で働き音楽を愛する父親と過保護気味の母親、文武に秀でた兄2人と問題ばかりおこす次男レイモンドを観察しながら、幼少期を過ごす。やがて思春期に足を踏み入れる1970年代。ザックは同性に惹かれ始めた自らのアイデンティティと、"男らしくあれ"という父親の価値観との間でもがくことになり…
ザックリ言うとストーリーはこんな感じ
1960年代って、まだゲイやホモの事を、世間の目から気にしたり、また病気だと思っていた親も多かったらしい(他の映画でも多く描かれているしね)だから、こんな父親ってゴロゴロしてたんじゃないかな。特にここのお父さん、軍で働いているもんだから"男はこうであれ!"って感が強い。
まぁ、だけどまだ6歳のザックがふざけてお母さんのスカートを着て、女の子のまねをしてただけなのに、あんなに態度を変えるのもおかしいよね。
今まで、兄弟の中でも一緒に釣りに行ったり、みんなに隠れて買い食いをしてたのに、手の平返しのように、何か気にくわない事があったら、ザックのせいにしてしまうのは、6歳の子供には辛いよね
その事で、男を好きになった自分は病気なんだと思ってしまうのも可哀想だし、そんな自分を隠さなきゃいけないのも可哀想だよね。

そして、そんな父親の姿はザック以外の兄弟にも影響を及ぼす。
特に酷かったのは次男レイモンドに対する態度。文武に秀でた兄弟をあからさまに可愛がり、ちょっと問題を起こすレイモンドに対しての怒りはちょっと度を越している。
あんな父親じゃ、彼が大きくなってからああなってしまったのは解らないでもないし。
まぁ、最後までこの父親には共感出来なかったわ。

でも、家族の話としては良かったかな
兄弟の中でも1番仲が悪かったザックとレイモンド。時には暴言&暴力、時には金をせびり、ことごとくザックの逆鱗に触れたレイモンド。
そんなレイモンドでも、ザックへの陰口には、1番怒ったり、どんな時もさりげなく味方でいてくれた。
そんな所は"兄弟って良いよな"って思わせてくれたしね。

それに音楽も良かったし、個人的には良かったかな。
Xavier

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