トトの忘れられなかったもう一つの物語
やっば、いい作品だよね。
映画好きな人が作ったら、こんな作品になるんだろうなぁ…
これと言った娯楽もない田舎町では、映画は貴重な娯楽。そして、それは集まる
人にとっても、楽しみでしかない。
映画を観る人達の、溢れる笑顔を見れば解る。
久々観ると"あれっ?こんなシーンあったけ?"って思うシーンも…
戦争のために小学校を卒業出来なかった
アルフレッド。その資格を取るためにトトたちと一緒にテストを受けるんだけど
答えの解らないアルフレッドはトトに答えを見せてくれと頼む。トトは見せる代わりに映画技師としての仕事を教えてもらう。その時のトトとアルフレッドの掛け合いがユーモラスで面白いんだよね。
そんなユーモラスなシーンがあるかと思えば、泣けるシーンも…
トトが小さい頃は映画の検閲が厳しくてキスシーンとかはフィルムから切り取らなければならなかった。
そんな中、戦争の死亡者を伝える記録映画を流す事になるんだけど、そこにはトトの父親のシーンが。そのシーンを母親に見せたくないトトは、そこのシーンを切り取る。さりげなく描かれて射たので
全く気がついてなかったんだけど、今回初めて気がついた。涙を誘うようなシーンじゃないんだけど、トトの優しさにジーンってきたね。
この完全版は、今まで切り取られていたトトとエレナの恋模様が描かれている。
この事で違和感のあったシーンが繋がって心が揺さぶられた。
そんな2人を見守りながらもトトに忠告をするアルフレッド。
アルフレッドには、子どもが居なかったからトトを息子の様に思っていたんだろうなぁ。
言葉の節々に現れているしね。
「ここにいると自分が世界の中心だと思う。何も変わらないと。でもここを出て2年もすると何もかも変わり頼りの綱が切れ、会いたい人もいなくなってしまう
だから、1度ここを離れたら長い年月帰ってくるな」とか
「ここにあるのは幻だけだ」って言葉から解る。トトの将来を見据えて言った言葉だったんだよな。
そして、そんなシーンのバックにはエンリオ・モルコーネの音楽が…
涙が止まらないなぁ…
多分、観た作品ではずっと1位なんだろうなぁ…