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ソード・オブ・デスティニーのkuuのレビュー・感想・評価

3.7
『ソード・オブ・デスティニー』
原題 臥虎藏龍:青冥寶劍 / Crouching Tiger, Hidden Dragon: Sword of Destiny.
製作年 2016年。上映時間 100分。
アメリカ・中国合作の武侠映画。
2000年に公開された『グリーン・デスティニー』の続編。
監督ユエン・ウーピン(『酔拳』とか撮ってた。)
ユエン・ウーピンて云ゃあ、映画『酔拳』とかのジャッキーの師匠蘇化子(ソカシ)役の袁小田(ユエン・シャオティエン)の息子さん。
出演はミシェル・ヨー、ドニー・イェン(ミシェル・ヨーとドニー・イェンの共演は、『詠春拳』(1994年)以来2作目。偶然にも、この両作品で二人は恋人役を演じている。)、 ハリー・シャム・ジュニアほか。

リー・ムーバイの死から18年。
武林を離れ隠居していたシューリンはムーバイの碧銘剣(グリーン・デスティニー)を預けたティエ家の当主の葬儀の為北京に向かっていた。 
道中謎の集団に襲われたシューリンは、突然現れた覆面の男の加勢を得て賊を返り討ちに⚔️。
武林界の一派ウェスト・ロータスの拠点では、若い女、スノーヴァース(ナターシャ・リュー・ボルデッツォ)が入門と偽りヘイデス・ダイ(ジェイソン・スコット・リー)の命を狙うが失敗。
逃げた彼女が次に姿を表したのはティエ家の葬儀に参加する1人としてである。
その佇まいになにかを感じ取るシューリン。

前作、『グリーン・デスティニー』でユー・シューリンを演じたミシェル・ヨーが役をそのままに続投。
魅力的でかっこいいOver50の女優ミシェル・ヨー。
日本時間1月11日に開催された第80回ゴールデン・グローブ賞で、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』の彼女が主演賞を受賞したのは、他人事ながら嬉しかった(熱烈なファンではないが)。
今作品では、続投俳優以外にも、新たな役として、兪秀蓮のいいなづけであったサイレントウルフことメン・スージョウ(孟思昭)にドニー・イェン。
アメリカのドラマで有名になったハリー・シャム・ジュニアが出演してた。
またオリジナル音声が英語やし、スノーヴァース(雪瓶)を演じたオーストラリアのモデルナターシャ・リュー・ボルデッツォをはじめ、中国系アメリカ人やベトナムなど多国籍のキャストが参加してました。
今作品は、英語で撮影されてたけど、70年代か80年代の伝統的な香港のカンフー映画のように感じられた。
台詞のいくつかは若干たどたどしいけど、個人的には馬鹿馬鹿しい感じなかったかな。
まぁ、古典カンフー映画が好きやし多少の贔屓目も加算されてはいますが。
前作のロマンチックな面はトーンダウンし、冒険の面が前面に押し出されていた。
これは悪いことやなく、今作品には監督ユエン・ウーピン節の巧みな戦闘シーンがいくつもあったから。
アクションは前作には及ばないかもしれないが、それでも良かった。
演技の面では、ミシェル・ヨーとドニー・イェンが巧みでした。
前作を再現したヨーは、フィナーレで少し物足りなさを感じるものの、いつも通り素晴らしい演技を見せてくれました。
イェンはアクションが中心で、いつものようにユエン・ウーピン監督とうまく連携していた。
個人的に巧みな戦って感じたんは、凍った湖でのハリー・シャム・ジュニア、ロジャー・ユアン、そして彼自身との戦いかな。
今作品の若い主役2人は、特に前作のチャン・チェンとチャン・ツィイーと比較すると、それほどインパクトを与えてはくれなかった。
ジェイソン・スコット・リーは良い意味でパントマイムのような悪役で、映画『ドラゴン/ブルース・リー物語』時代よりかなり体重が増えてたけど、戦闘シーンではよく頑張ってたかな。
演出面ではユエン・ウーピンはアン・リー(『グリーン・デスティニー』の監督)ではないが、このバージョンのアクション・アドベンチャーというタイプであるため、特に問題にはなっていないかな。
今作品は中国ではなくニュージーランドで撮影されたそうやけど、まぁ雰囲気はでてたかな。
Netflixが悪いとまでは云わないけど、ソニーピクチャーズとか辺りが今作品をやってればもっとデカイ映画になったんちゃうかなぁ。
そう思わざるを得ないし、言語や音楽のチョイスが違っていれば大人気になってたんかと少し残念でもあるが、個人的には大いに楽しめました。
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