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いしぶみのwigglingのレビュー・感想・評価

いしぶみ(2016年製作の映画)
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長く読み継がれる「いしぶみ 広島ニ中一年生全滅の記録」の映画化。1969年にテレビ放送された同名作品のリメイク。
シンプルなセットの中で綾瀬はるかが朗読する、池上彰が遺族にインタビューする、ただそれだけなのに、原爆投下時の地獄絵図がありありとよみがえります。

ドーム型の造形物に投影される亡くなった全員の顔写真、朗読にあわせて木箱に映し出される主人公の顔写真、70年も前だからみんな幼いんだよね。まるで小学生のよう。
そして、即死だった方が余程マシと思えるような苦しみの描写は本当にキツイです。

犠牲者の無念は勿論だけど、本作には生き残った人たちの苦しみも描かれているんですね。これは池上さんパートなんですが、インタビューする一人は当日学校(というか建物の解体作業)を休んだために救われた方。何故自分だけが生き残ったのかと随分苦しんだそう。
朗読の中でも、嫌がる子供を無理矢理学校に向かわせた親御さんの自責の念が表れてて、本当にやりきれない。

現場になった本川の川面を埋め尽くした夥しい死体、その光景を想像して欲しいです。想像できない方は、平和記念資料館を訪れて大量の資料を浴びていただきたいです。是非に。
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