家族の中で起こっていることの可視化の難しさを「実際に見えない」というファンタジーの力をもって説得力の担保にしている、
古典的なホラー題材を社会問題の夫婦間のDVの透明化にリンクさせたの本当上手いな〜!
企画時点でこれは勝つると思うやつ。
超常現象への恐怖とストーカーと化した不審者に対するリアルな恐怖のブレンドなどの新感覚の恐怖体験ができる映画でした。
前半から中盤までの、そこにいないはずの何かをあたかも写すかの様な映像がかなり不気味。ボヤ騒ぎの長回しの構図といい、今作全体的なカメラワークがすごい仕事してる。
そういえば映画の始まり方も格好良かった。
見えぬ敵がいる、という前提とともに主人公側の憔悴の情報を巧みに小出しにしていくところ、
果たして透明人間とは実態のある怪物か、それとも病んだ心が生み出した幻なのか、と後半までわからない感じが現代の作品らしくて良いなと思った。
全体的な感想は、巧みな映画という感じ。