フォーエバー・ヤング。
一世を風靡した前作から、なんと20年。あのジャンキーたちが帰ってきた！！今やアカデミー賞の常連になりつつある技巧派ダニー・ボイル監督の元に、ユアン・マクレガーら当時のキャストやスタッフが再結集して作り上げた青春エンターテイメント。
前作の個人的な印象はキャッチコピーとしても使われていた「陽気で悲惨な青春グラフィティ」。この一言に尽きると思う。イギーポップやアンダーワールドなど旬のUKミュージックを散りばめたスタイリッシュさとは裏腹に、物語自体はどこへも行けない閉塞感に満ちていた。ラストシーンから想像出来る彼らの未来も、到底明るいとは思えなかった。
そうして、20年。好きな未来を選べると思っていた彼らを、20年という歳月は一体どう変えたのか？
答えは何も変わらなかった、だ。
もちろん20年も経てば彼らを取り巻く環境は変わっている。見た目も年相応に老け、昔のように走り回る体力もない。でも、彼らは本質的な意味では何も変わっていない。陽気で悲惨な青春を送っていた彼らに待っていたのは前進でも後退でもない、停滞だった。
前作のようにバカをやり、前作のように内輪揉めし、やがて取るべきケジメをつけて物語は結末を迎える。
ダニー・ボイル監督とキャスト・スタッフ陣は前作に最大限のリスペクトを示した映画を作った。変わらない彼らが変わろうと足掻く姿を描くことで、ようやくレコードの針は落とされる。20年ぶりの呪いは解けた。人生を足掻き続ける彼らの物語は、人生はまだ続く。
既に終わった映画の続編としてはこれ以上ない誠実さに満ちた映画だった。大好き。
