Kaoru

待つ女たちのKaoruのレビュー・感想・評価

待つ女たち(2015年製作の映画)
3.8
イタリア映画祭にて鑑賞。

とってもストーリーはシンプルなの。フランスから彼を訪ねてシチリアへ来た彼女。彼のママンが迎えてくれるものの彼はいない、はていずこへ、みたいな。観客は誰もが、彼はきっとこうなんだろうな…と分かりきっていて、それを示唆させるシーンもあるのだけれど、その分かりきった結末をどう魅せるのか終盤は目が離せなくなった。アタシ、うるっとしてしまったわ。結末がどうなるんだろうという作品ではなく、誰もが分かる結末にどうたどり着くのだろうということを楽しむ作品。はて、日本で公開してくれるでしょうか…。

イタリア映画やフランス映画を観ていて感じるの。"美しい女性"という価値観が、もしかしたら日本と近いかもしれないと思ったりするの。ジュゼッペ・トルナトーレ監督のある作品の中で「オンナは悲しみを消化しながら生きている」という言葉があってそれがとても衝撃だった。
イタリアってラテンの国でしょう。底抜けに明るくて陽気でナンパなイメージかもしれないけれど、全くそんなコトはないわ。

日本と同じかもと感じるのが、憂いを持った女性、例えば寂しそうにしていたり、何か含みを持っていたり。そういう絶妙な分量の暗さを持つ女性がとても魅力的と感じている気がするわ。

この作品で年齢の違う女性同士が余計な言葉を一切交わさず、抱き合うシーンに強烈な痛みを感じた。話して判ってもらうのではなく、抱き合って分かりあえる。抱擁の文化がある国っていぃなぁと思ったわ。
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