滝和也

皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグの滝和也のレビュー・感想・評価

4.0
腕が飛び出す!
ババンバン!
足が飛び出す
ババンバン!

磁石の威力だ〜
鋼鉄ジーグ〜♪

本日永井豪先生ネタが続いてますが、こちらはイタリア発の実写、ホントにオマージュが見事に捧げられた作品…

「皆はこう呼んだ 鋼鉄ジーグ」

最高でした(^^) 永井豪が欧州では人気と知ってましたが、ここ迄ガッツリオマージュ入れてくるとは。ただ基本鋼鉄ジーグは、ロボットアニメでスーパーヒーローの代表とわかっていればOKです。それの実写化ではありません…。

完結に言えば一風変わったヒーローの誕生譚であり、クライムアクション。社会の底辺にいるこそ泥が核廃棄物に浸かり、パワーを得ます。その彼が同じアパートに住む隣人の取引を手伝ったことにより、隣人の娘を守らざる得なくなり、敵対組織と対決します。隣人の娘は、精神薄弱。TVの鋼鉄ジーグの世界にいます。彼をジーグの主人公司馬宙になぞらえ、敵組織を邪馬台帝国になぞらえているのです…。

彼女が話すキーワードは全て鋼鉄ジーグの敵幹部名や敵の場所、しかもアニメ自体も流れます。如何にジーグがイタリアで馴染んでいるのか、わかります。因みにフランスで同じ永井豪作品のグレンダイザーがゴルドラックの名で視聴率100%を叩き出したことがあるそうで、イタリアはジーグのようです。

ただこの作品の優秀さは、その底辺からスタートする様な、リアリティだったりします。孤独なこそ泥ですから、力を得てもやる事は、力づくでATM強盗、現金輸送車強盗…。だからこそ、白痴のヒロインとのふれあいから、守ること、そして善行へと傾いていくカタルシスが響きますね。また力と言っても、パワーが上がるだけでDCのような凄まじい力ではない。逆にアクションはリアリティが出てます。

敵もマフィアになり切れていない末端のチンピラグループ。そのボスが持つ異常なまでの承認欲求が主人公を追い詰める。孤独から人を愛そうとする主人公と人が周りにいながらも、異常な承認欲求から失い、更にその、欲求を爆発させる敵。古いタイプの主人公と現代の若者の敵と好対照で見せてくれます。YouTubeが出て来る辺りも、見せたくないのにバレる主人公と最初から再生回数を増やしたい敵と言う今風な感じがまさにそれです。

表現もリアルのため、エロとちょっとしたグロ描写もあり、リアル感をましていますね。

イタリア発のヒーローものの佳作、一度ご覧ください。

余談
マジンガーの新作も海外公開が日本より早いそうで、その影響力はすごいですね、永井豪先生は(^^)
滝和也

滝和也