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ブレードランナー 2049のtjZeroのネタバレレビュー・内容・結末

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

2017年末は、SFというか、映画ファン待望の続編が相次いで公開されたことで、永く記憶に残るはず。

言うまでも無く、『ブレードランナー2049』と『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』であります。

この両作、好きと嫌いがクッキリと分かれていました。

『2049』は雑誌”映画秘宝”の年間ランキングでベストでもワーストでも1位でしたし、『最後』は”革新的”という声がある一方で”SWの正史から外せ”という署名運動まで起こっていました。

自分は、『2049』には拍手、『最後』にはブーイング…って立場です。

『2049』は、前作の古いファンと今作からの新たなファンと、どちらにも目配せしているのが良いと思いました。

前作の監督リドリー・スコットが製作総指揮、期待の俊英ドゥニ・ヴィルヌーヴが監督を務めているのが大きい。

このふたりの、古さと新しさのせめぎ合い、微妙なバランスみたいなモノが作品内に反映されているではないですか。
つまり、ハリソン・フォードがスコットで、ライアン・ゴズリングがヴィルヌーヴですよ。
両者の相克が、ダイナミックに作品内で渦巻いている。

もちろん、古さと新しさと両方盛り込もうとして、かなり強引な所もありますよ。”大停電”みたいな大がかりなリセットの仕方とか…でも、そんなとこも含めてサーヴィス精神旺盛です。よく160分強にまとめましたよ。まったく長く感じませんでした。

一方、『最後』の方は、旧いファンを切り捨てる方に舵を切りました。
これはやはり、シリーズの生みの親であるジョージ・ルーカスの手を離れた事が大きい。
ルーカスが積み上げたジェダイやフォースの概念、設定などがガラガラと崩れ落ちていきました。

若いファンにとっては、すべてが一新されて「オレたちのSWが始まった!」というヨロコビがあったのでしょうが、古いファンの中には「裏切られた」と感じた向きも多いはず。

『最後』ではルーク・スカイウォーカーが、その前の『フォースの覚醒』ではハン・ソロが命を絶たれました。
一方、『2049』はソロと同じH・フォードが演じたリック・デッカードは生き延びました。そして前作のルトガー・ハウアーと対になるような、ゴズリングによるレプリカントの悲哀が感動的でありました。

このキャラクターに対する落とし前の付け方が、両シリーズの方向性を如実に反映しています。

もちろん、どちらがいいor悪いではないんです。
あくまで、好みの問題です。
『最後』👍、『2049』👎…ってな意見も尊重しています。いろんなレビューをフィルマで読んでみたいと思っています。
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