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ブレードランナー 2049の東京キネマのレビュー・感想・評価

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)
2.5
ガッカリでした。観念的だからテンポが悪いのか、テンポが悪いから観念的なのか解りませんが、気を抜いていると寝落ちしそうです。

とにかくですね、ブレードランナーだったらレプリカントのサッドストーリーになってないとダメですよ。感情を移植されているレプリカントがですよ、自分の寿命を自覚して「意識」が崩壊していくから悲しいんですよ。ルトガー・ハウワーのぶっちぎりのパワーも、ショーン・ヤングの息を呑む美しさも(再現シーンがありましたが、今見ても本当に美しいです。。。)、死の前では何の価値もないから悲しいんですよ。それが何にも繋がってないんです。子供探しって何それ? ですよ。だって、リドリー・スコットはデッカード(ハリソン・フォード)をレプリカントだと解釈してたんでしょ。プロデューサーに拒否られて結局ぼかしてましたけど、演出上はあれはあくまでレプリカントですよ。だから、ハリソン・フォードはルトガー・ハウワーに同情したんじゃないですか。それが、子供を作るって、どうしたらそこに繋がっちゃうのよ。それじゃ大前提の伏線が拾えないじゃないの。

それとね、もういい加減、レプリカントが人間を襲うっていうパラノイア・ストーリーは止めませんかね。『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』から50年も経ってんですよ。もっともっと人工知能は進化してますから。

ということで、別の意味でとても悲しい映画ではありましたが、むしろ前作の凄さをロジカルに再認識させてくれる効用もありましたかね。
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