うどん

お嬢さんのうどんのレビュー・感想・評価

お嬢さん(2016年製作の映画)
3.5
パク・チャヌク監督作品を続けて②

す…す…すげえ……。

あらすじをサラリと読むだけにして、あえてレビューを読まずに挑みました。
いやはや、驚きました。「別れる決心」とは全く別の意味で、"画"に。

第一幕では、ワケあり侍女のスッキの物語として始まり、次第に"お嬢さま"に惹かれていく様、ミッションの行方…と、あやしげな展開に見入った。心の声が多く、物語の視点もあって覗き見しているような感覚で、あやしげな屋敷、あやしげな雰囲気に包まれた、あやしげな展開に引き込まれた。第一幕のラスト、びっくりして、思わず笑ってしまったが、びっくりするのはここからでした。

第二幕で、物語の視点が変わり、人物やミッションが全く違うものに見えてくる面白さ!ただ、とんでもなくすごい描写シーンには、腰を抜かしたあああ。そこでようやく、本作がR18指定なのを思い知りました。"画"はもちろん、どんどん明らかになる新たな事実に驚き震えた第二幕だった。

ということで、第三幕では、そうなるよなという展開だったが、もはやどんな描写にも驚かない。"お嬢さま"の叔父さんの地下の秘密にはビビったが。

全編を通して印象的だったのは、シーンが変わっても、前のシーンや別シーンの人物の声や息が被ってくるつくりで、尾を引く感じという余韻を与えるようで、なめらかな物語の展開さばきは大いに見応えあった。
そして、音楽がとっても美しかった。今作を華麗に、ときに繊細・儚げに仕立てる音楽だったように思う。特に、第二幕終盤での、弦楽器とピアノの重厚で力強い音が、同じ曲でも第一幕のときとは違うように聞こえ、ドラマチックで清々しく解放的な気分にさせる美しさだった。

なかなかに凄みのある、ストーリーラインも見応えある作品でした。
同監督の復讐3部作も気になるけど、またの機会にまとめて鑑賞します。
うどん

うどん