ホラー版ドラえもん、
みたいな良作ジュブナイルもの。
いきなりオープニングの子ども腕チョンパで心を鷲づかみされてから、恐怖のジェットコースター行き。子どもにトラウマ与えるなら最高の映画。
これはスピルバーグが80年代にキング映画を撮ったのか、と錯覚しそうな程にアドベンチャーものとして楽しい。モンスターハウスや下水道でジュラシックパークみたいな追い詰められ方する描写に爆笑してしまった。もはや幽霊なのか物理現象なのか明確な線引きを求めたくなるくらいペニーワイズの万能ぶりに笑う。郵便出してきたり、大人には見えない血は掃除できるなど、子ども達が恐怖を感じたものは具現化するというルールなのだろうけど、そこの法則を詰めたら無茶苦茶面白いのになって思う。
しかし、そんな細かい部分よりも子ども達の瑞々しい友情や、ほのかな恋心、夏休みの冒険というジュブナイルものの定番描写がツボ過ぎてやられた。まさに小学生時代に80年代を過ごした自分にはドンピシャリな空気感は涙なしには見れないほど好き。
また子ども達のトラウマの対象が具現化されるが、その描写が素晴らしく、子どもの頃の恐怖感が戻ってきたかのようなドキドキ感に満ちていた。歪んだ女、初潮、感染者、など笑っちゃうくらい不吉なシーンの連発の中に、美しい青春と80年代ロックの融合はズルい。そんなん好きに決まってる。
毒親などによって植え付けられたトラウマとペニーワイズという恐怖の象徴が絶妙にリンクするような展開であれば本当に傑作になったであろうけど、それは続編に期待すべきなのかな?そういう部分で何気にイット・フォローズと影響し合っているような気もする。
恐怖というものの具象化を掘り下げて、ペニーワイズの法則をキッチリしてくれたら凄い傑作シリーズになると思う。今のようなジュラシックパークみたいなのもいいけどね。
子どもの頃に誰もが持っている恐怖と哀しみのトラウマを乗り越える冒険ものとして大好きになりました。
大人篇、まじで期待してます。