ケイスケ

サバービコン 仮面を被った街のケイスケのレビュー・感想・評価

3.0
監督ジョージ・クルーニー、脚本コーエン兄弟、出演マット・デイモンにジュリアン・ムーア…これだけ一流どころを揃えたにも関わらず何とも言えない微妙な映画。

ジョージ・クルーニー監督作は『グッドナイト&グッドラック』や『スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜』など好きな作品も多いです。多分ですけどコーエン兄弟との脚本が噛み合っていない。本作のようなブラックコメディ要素の作風は、コーエン兄弟が監督した方が良かった気もします。

序盤は面白い部分もあるんです。特にマット・デイモン演じるガードナー・ロッジ宅に強盗が押し入る場面は非常に恐ろしい。また、ジュリアン・ムーアの一人二役の演技など役者は良かったですね。

ただ中盤である真相が発覚してからまあ、冗長だこと。主犯格のアイツらは何を根拠にバレないと思ったか知らんが、呑気にベッドでイチャつきながら「金が入ったら海外行こうぜ」とか言ってるし。いくら何でもノープランすぎる。

舞台のサバービコンが白人史上主義である件と、奥さんが殺されて犯人を追う件が並行して語られますがよく分からない。街全体が何か裏があるのかと期待しましたが本当に単なる“白人史上主義の街”ってだけですよね。人種問題や風刺が本筋のサスペンスとあんまり絡んでないんですよ。

あと役作りなのか分かりませんが本作のマット・デイモンはさすがに太り過ぎです。まあチャリンコを必死に漕いでる場面や、あのサンドイッチとジュースをムシャムシャ食べてるとこは笑いましたけど。コメディ部分はさすがコーエン兄弟、一定の面白さがあります。

予告やパッケージは面白そうだっただけに少し残念な内容でした。オスカー・アイザックの扱いもオイシイんだか何だかよく分からんし。キャストにジョシュ・ブローリンがいますが全カットだそうで泣。