マヒロ

サンダーボルトのマヒロのレビュー・感想・評価

サンダーボルト(1974年製作の映画)
3.0
何故か悪党から命を狙われている神父の男・サンダーボルト(クリント・イーストウッド)と、偶然出会った若者・ライトフット(ジェフ・ブリッジス)の二人の、ゆるりとしたロードムービー。

まだ若いジェフ・ブリッジスの、後のリボウスキフォルムからは想像がつかないような酒やけしてないさわやかな声とスリムな体型が逆に新鮮。劇中でもイーストウッドに若造扱いされているが、実際二人は20歳近く年が離れているようで、後年の老人のイメージが強い自分からするとなんか変な感じ。

実はかつて強盗団の一味だったサンダーボルトの話を聞いて新しい強盗計画を思いつくライトフットは、サンダーボルトを追っているかつての強盗仲間のレッド(ジョージ・ケネディ)とエディ(ジェフリー・ルイス)も巻き込んで計画を進めていくことになる。

面白いのが、強盗するのに資金が足りないのでみんなでバイトをするシーンがあったり、ヒッチハイクで拾った車の主がとんでもない狂人で、排ガスを車内に引き込むように改造した車の助手席にアライグマを乗せてイかれた運転をするという、異様にキャラ立ちしているキャラの割にはストーリーには一ミリも絡んでこなかったり、ヘンテコな描写が散見されるところ。
犯罪映画らしからぬ妙に砕けた雰囲気が楽しくもあり、肝心の強盗場面も割とあっさりとしたものでしかなかったりするのは物足りなくもある。

ラストはニューシネマの時代らしい苦い結末になるんだけど、そこに至るまでの過程がちょっと無理やりな感じがして、前述の物足りなさも含め、諸々の荒削りな部分がちょっと気になってしまう作品ではあった。
主演コンビの凸凹感は良かったので、捻りなしで純粋にイーストウッド&ブリッジスのロードムービーが見たかったかも。

(2019.70)
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