スティーヴン・フリアーズ…好きな監督サンのひとり。ものスゴい大傑作は撮ってないけど、長年にわたって水準以上の作品をコンスタントに送り出している。
『グリフターズ』、『危険な関係』、『ハイ・フィデリティ』…ジャンルを問わず、わかりやすくて質も高い作品を撮る、（芸術家肌）４：６（職人気質）くらいのバランス。
今作は、そんなフリアーズ監督の初期の作品。コインランドリーを営むパキスタン移民の青年＆ゲイの白人パートナーという、二重の意味でのマイノリティー・カップルを軸に、ロンドンのダウンタウン・ライフを描き出す。
荒削りでアッサリとした描写ながらも、クライマックスからエンディングにかけて、様々な登場人物たちが”奪う者”と”奪われる者”とにクルクルと入れ替わって、ぶつかり合っていく展開に見応えあり。
やりきれない衝突と、それにもめげない前向きなパワーと、どちらも感じられる苦みのある下町群像ドラマ。
