B5版

ガザの美容室のB5版のレビュー・感想・評価

ガザの美容室(2015年製作の映画)
3.0
パレスチナ自治区の美容院の内外で紛争地域で生きる女性達の映画。

この作品の大半は女性たちのお喋りの場面で話す内容も、結婚のこと、髪型のこと、家族のこと…
そう私たちと変わらぬように思いますが、その空間の外側では男たちが銃を構えて歩き、離し飼いの猛獣を彷徨かせる人間もいる。
異常が常に幅を利かせる日常のシーン。
息の詰まる光景ですが、ガザ地域って調べたら聖書の時代から奪い奪われた因縁の土地なんですね。
そこで暮らすことはイコール日本人の考える紛争ともだいぶ乖離があるのでしょう。

ウイルスが蔓延しているのに日常を過ごさなければいけないように、侵略に晒された国で隣で銃を担いだ男がいようが今日を生きていかなければいけないように。
しかし慣れることは受け入れることとは別物だ。
日常が如何に変質しやすく脆いものか思い知らされた。
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