新婚の兄夫婦と同居している大学生の青年（小林宏史）が、兄嫁（朝比奈順子）に対する独占欲に苛まれてしまう。青年の「性の暴走」を描いている、日活ロマンポルノ。

青年が風呂場に取り付けたマジックミラーを通して、兄夫婦の性生活を覗き見るというシチュエーション。基本的に朝比奈順子の肉体を拝むための作品であり、彼女の濡れ場が長尺で収められている。

兄を演じているのは、筆者のフェイバリット男優・益富信孝。夜の営みになるとサド気質が表出するという、二面性を活かした芝居が堂に入っており、体位を変えながら拘束していく華麗なテクニックにホレボレさせられる。

作品自体は小品だが、決してつまらないわけではない。男女が合体したままで隠密行動を取る、エロコントに笑わせられる。例に漏れず、風呂場がすごく寒そうだけれど、そこは脳内補完すべし。

• #エロ映画

役者が下手なので恐怖感がうまく出ていないが、麻酔なしで歯を削る暴行シーンの野蛮さ。ロマンポルノが「ただエロいだけでしょ」という態度で観ていられない瞬間があるのが、桂千穂であり西村昭五郎。
マジックミラーはあまり役にたっていないものの、その形状のいびつさに虚を突かれる。
でも本当にマジックミラーが一方通行で、男女の話は「こちらからは見えないけれど、鏡の向こうで自分のセックスを見てくれている」という倒錯感が、欲望の火種になるんじゃないだろうか。普通に考えて。

ただ、あの突発的なラストは西村昭五郎の映画っぽい。ああいうバスッと事故って唐突に終わる感じ、結構好き。

弟役は、寺島まゆみと結婚して離婚したそうな。マジックミラー願望が激しい映画だ。駅弁ファックの初期型が見れる？！お手伝いさんが必要な感じの家に見えないなぁ。AVのせいで既視感満載。

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