とりん

ワンダー 君は太陽のとりんのレビュー・感想・評価

ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)
4.1
遺伝子障害により幼い頃に何度も手術を行った顔を隠しながら生きてきた少年が外の世界である学校へと踏み出す彼の成長と周りの人たちの様子を表した映画

よくありがちなストーリー展開ではあるが、心温まる映画だった
もちろんメインはオギーを中心ではあるものの、周りの子どもたちにも焦点が当てられる
それをあえて可視化させることで、同じ時間軸やそうなった経緯をそれぞれの視点から知ることができる
ただこれが少し弱かったなと思うのは、あえて可視化してるのにその時も他の視点が混じったりする
そこまでするなら短時間で良いからもっと明確に描いて欲しかったところ
それを抜きにしても単純に良い話

個人的にはオギーの親友であったジャック・ウィルが好き
最初は校長先生に指名され仕方なくオギーの面倒を見たが、彼の内面を見ることで親友になりたいと思い始める
しかしクラスを仕切ってる人気者のジュリアンの受け応えで心ないことを言ってしまい、オギーを傷つけてしまう
自分を出せずに同調してしまうのも青春時代にありがちなことでもあると思う
ただその後にジュリアンとやりあったり、他校の上級生から嫌味を言われた時も面を切ってかばったりとすごい友達思いな部分が表されていて良かった

ただこのジュリアンも仕方のないやつで、彼も親の影響が色濃く出てるなと少ない登場の両親からも鑑みれるところはあり、彼もまた被害者なのでもある
だんだんとクラスの中心になっていく彼の姿に嫉妬心もあったのだろう
大事にならなければ、もっとオギーの内側を見てあげいれば、きっと彼も良い友達になれたであろう

そして姉のヴィア、幼稚園からの親友を一夏で失った悲劇のヒロインかと思いきや、すぐさま男と結ばれ、気づけば親友も帰ってくるという意外とおいしとこづくしの彼女
でも急に友達を失うという青春時代特有の人間関係の難しさを表しているのもなんだか学生って感じで良かった
オギーだけではなく、あくまでも彼を中心に置き、サブストーリーではなくしっかりとその周りを見せているのが良かった

ヴィアの親友のミランダのセリフにあなたの家族は宇宙のようだと比喩するところがある
オリバーという太陽"SON"を中心に回っていることから
これを比喩できるのは息子だけだけど、これはどこの家庭でも言えることだし、それぞれの家族がひとつの宇宙だなと上手い例えであると納得した

この映画もそういう作りになっているなと改めてこの作品の作りの良さに頷けた
とても観やすいハートフルな映画だった
とりん

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